【完】ヒミツの恋を君と。

俺にとって祐樹は生まれて初めて出来た親友。


今まで誰にも話せなかった思いも、うちの事情も祐樹には話すことが出来た。





『俺は中学出たら働くから。父親の借金は俺が返す。姉さんにはもう迷惑掛けられないから』


『でも、晴、そんなこと言っても今時、中卒でまともな所に就職出来ねぇよ?だから、うちの親なんかどこでもいいから大学は出なさいってうるせぇもん』


『そんなのなんとかなるよ。とにかく早く、ねえさんを俺の親父の呪縛から解放させてあげたいんだ』


『分かった!俺の親父に中卒でも晴を雇ってくれって頼んでやるよ』





今から思えば、まだ世間知らずな小学生の会話だった。

でも祐樹は本当に父親に頼み込んだ。



このことがきっかけになって、祐樹の父親と姉さんは出会うことになる。