【完】ヒミツの恋を君と。

グラタンの材料の買い物はもう済んでる。



帰ったら、家を片付けて、ホワイトソースを作って、野菜も切って、エビの殻も剥いて、下準備をしておいて…と。




頭の中で帰ってからのシュミレーションをしながら、階段を駆け下りる。




あ!その前に大掃除で汗をいっぱいかいたから、シャワーも浴びたいな。

あっ!!そういえば、店長に、学校の帰りに店に寄る様に言われてたんだった。




何でも、“それ”さえあれば今日のあたしは完璧になる。とか言ってたけど、なんなんだろう?




うわっ!帰ってから本気で忙しい!

ただでさえ要領が悪いのに早く帰んないと……。





校門を飛び出して、全速力で駅に向かってると、少し前に男子生徒4人が固まって歩いてるのが見えた。





…あれ?晴?





あたしが晴の後姿を見間違える分けなくて、あのボサボサヘアは間違いなく晴。



走ってた足を止めて、ゆっくりと歩く。