【完】ヒミツの恋を君と。

でも、彼女はそうじゃないって言う。

いいのかな?





「あの…あたし、知り合いを待たせてて、それで……」


「いいよ。任せて!」





どうお願いしていいのか分からず戸惑ったあたしの言葉にかぶせる様にそう言った立花さん。


その後、ニッと笑ってから、ロッカーの上に置いてた問題集をよいしょと抱えた。





「また明日!吉丘さん!!」


「うん、ありがとう!」





不思議な子。

でも、素敵な子。




『甘えてくれた方が嬉しい』か。



あたしは人に甘えられないタイプだけど、晴にだけは甘え続けてるよね。

図々しいことも結構してきた。





なんでそんなこと出来たんだろう?

晴の第一印象は決して良くなかったのに。




そういうタイプには余計に甘えられないあたしが、素で傍にいれたのは、晴の心の温かさを無意識の内に感じ取ったからかもしれない。


そしてなにより、ただただ、あたしが、そうしたかっただけかもしれない。



今、晴に会いたい。

無性に会いたい。



急にあふれ出るこの想いはもう止めることなんて出来ないところまできてる…。