【完】ヒミツの恋を君と。

「吉丘さん大丈夫?」


「え?」


「なんか辛そうな顔してる」


「あ、そ、そう?気のせいだよ」


「先生に頼まれ事されてる時、困った顔してたから、用事があるんじゃないのかな?って思ってたんだけど、もしかして体調悪かったの?あたし、これ持っていくから帰っていいよ」





心配そうに覗き込んでくれる立花さん。

もしかして、あたしに用事があるのに気付いて付いてきてくれたのかな?





「ありがとう。でも、大丈夫」





そう言ったあたしに、人差し指を顔の前で振って、「違う違う!」って言ってる。





「こういう時は、“迷惑掛けるから~”じゃなくて、甘えてくれた方が、こっちは嬉しいのですよー」





おどけたように立花さんが言う、その言葉にびっくりした。


甘えるのは苦手。

そんなことして図々しい人って思われたくないから。