え?これってもしかして?


やっぱり、晴から渡されたのは成績表。


見てもいいの?

躊躇しながらも、興味の方が先行して気付けばもう開いて見つめてた。



……138人中7位っ!?





「わ、わ、悪くないじゃない!全然っ!」


「いつもは5位以内には入ってる。今回はちょっと甘く見てた。……ちなみにお前は何位?」


「い、言えない…」





145名中78位でした!なーんて晴の成績を知ってしまった今、言えない。

こんないい成績で何悩んでるんだか?!


少し口を尖らせながら晴を見上げると、ペットボトルの水を飲み干してから、溜息を吐いていた。





「夏休み明けのテスト頑張らないと、指定校推薦もらえなくなるかもしれねぇから…」


「え?晴って指定校推薦狙ってたんだ?」


「ん、そう」


「晴の希望大学、N大だっけ?」





そこは東京の有名な私立大学。

一般入試なら倍率はものすごく高い。




でも、指定校推薦は、うちの高校の学内選考で選ばれさえすれば、絶対その大学には合格出来る。


晴のこの成績なら指定校推薦取れるんじゃないかな…。


晴が東京に行くっていうのが一気にリアルになった気がして、自然と視線を落としてた。





「N大は成績優秀者には返済しなくていい奨学金制度を設けてるから」





そうだった。

晴が今バイトでお金を貯めてるのは、親に頼らずに自分の力で一人暮らしして、大学に行くためだった。