【完】ヒミツの恋を君と。

『ほおっておけない』って言葉が耳に残って、熱い。



そして頬に意識が集中する。


いつもプレシャスで、イジワルな顔をして顎を掴まれたりするけど、それとは少し違う。


あたしの心まで包んでしまう様な優しい触れ方。


だから、その手に、頬をすり寄せて身をゆだねたい感覚に陥る。




でも、恋愛スキルが0に等しいあたしは、そんなことしていいものかどうなのかも分からなくて動けないままで。




ジッとその目を見つめていると、晴が一瞬、ハッと我に返った様な顔を見せた。





頬から、晴の手が離れていく。

まだ手の感覚が残る頬。


それを少し寂しく感じて、晴の表情を見る。

いつもより頬が少し赤く見えるのは、玄関のオレンジのライトのせい?


晴があたしから少し目線を逸らせてから口を開いた。





「そんなことを言おうと思ってた訳じゃなくて……」


「え?」


「今日はごめん」


「あ…う、うん」