【完】ヒミツの恋を君と。

だって、安心したから……。


手の甲で目を押さえて、溢れて止まらない涙を隠した。





「…反省してる……やりすぎた」





晴の困惑した声が耳に届く。


今、手で目を覆ってるから、その表情は見えないけど、きっと晴は自分の真下で、泣き続けてるあたしを見て、動揺してる。

そんな声だった。


そしてまた、晴の声が聞こえる。

バツの悪そうなその声。





「…腹も立ってたんだよ…お前、俺の話を全然聞こうとしないし、バイトの時間中ずっとトウヤさんにくっついて俺から隠れてるし、トウヤさんに触れられても嫌そうじゃなかったのに、俺が腕を掴んだらものすごい勢いで振りほどくし……」





だんだんその声が小さくなっていく。



そんな晴の声を聞いてたら、いつの間にか涙が止まってて。

手の甲で涙の跡を拭ってから、晴の顔を見上げた。