あの日から、油断をすれば何度も何度も思い出してしまう。





『……晴くん、こっち見てよ。慰めて』





男の子でも通用してしまうあたしの声質とは違って、その人の声はとても女の子らしくて可愛かった。


パソコンルームは薄暗かったけど、その彼女の横顔は意外とはっきり見えて。




綺麗な人。

そう思った。






そんな彼女を見る晴。

晴の手が彼女の背中に回る──



そんなシーンを思い出す度、胸が痛みを訴える。


だから、なるべく思い出さない様に、あたしは感情を必死でコントロールしていた。