これじゃ、おごり合いだよ?

意味ないよーって思ったけど。




でも、あたしに気を使わせない様に、晴におごったっていう事実だけは残してくれたその行動。

そんな晴の優しさに、たまらなくなって頬を緩めてしまった。




食べ終わった後は一緒に電車に乗って1時間半。





喋ってるうちにいつの間にかもたれ合って眠ってたあたし達。



思い出すだけで、顔がニヤけだす。





デートか……。

してみたいかもっ!





でも、そんな大それた事、晴に言えないよ。


ザーザー降る雨を見つめながら、口を尖らせたその時、予鈴のチャイムが鳴った。



手に持ってた本にしおりを挟み、あたしは教室に向かって歩き出した


まぁ、デートは出来なくても、あたしと晴はバイトも一緒だし、朝も一緒だし!




いつでも晴と一緒にいれるチャンスがあるもんね。




自分にそう言い聞かせながら歩いていく。


角を曲がったあたしは、少し先に見える教室の前に人影を見つけた。





えっ!?晴だ!





一緒にいたいと強く思ったから、神様がこんなチャンスをくれたんだ!


神様に全力で感謝したあたしは、スキップする勢いで晴に駆け寄ろうとして…。