【完】ヒミツの恋を君と。


──トクン トクン トクン……




心地良いリズムが耳に響く。




──チュン チュン……





朝…?





鳥のさえずる音を耳に感じて、ゆっくりと重い瞼(まぶた)を開いていく。


ぼんやりとした頭のまま、視界に入った景色に違和感。



あれ…?

ここは自分の家だけどいつもの目覚めの景色と違う。




ベッドの上じゃない?

なんであたしこんなとこに?

ん?電気つけっぱなしで寝て…………?






そこまで考えた時点で、いろいろ思い出して一気に覚醒した。




「!?」




頬に触れている温かさの方に勢いよく振り向けば、そこには晴の寝顔がある。





「…っ、なっ!?」





壁にもたれて座った姿勢のまま眠ってる晴。

その姿を見て、あたしの頬は一気に熱くなった。



晴の頭はあたしの方に傾いてて、長い左腕は、あたしの体を包む様に回されていた。


そしてあたしは、晴の横でその腕に包まれて、胸元にもたれかかって今まで眠ってた。