先に目を逸らせたのは晴だった。





「お前はたまにパンチのあることをストレートに言うよな?」


「え?」


「なんでもねぇよ…今、こっち見んな」


「……え!?」






あたしの背後からさす街灯が、晴の表情を見せてくれる。


その顔がほんの少し赤く見えて、つられるようにあたしの頬も熱くなっていく。


そのまま、胸の中までも熱くなって、あたしの心の中に決心が芽生えた。





「晴、今から家に来て欲しいの」


「……え?」


「ほんの少しだけだから…ダメかな?」


「ダメもなにも…こんな時間に…」


「そっか、家の人心配するもんね…」


「バカか!俺の家のこと言ってるんじゃねぇよ。って、ホントに分かってねぇなお前は」


「ご、ごめん…。でも、決心が揺らぐ前に晴に、今日会った春のこと聞いて欲しかったの……」