【完】ヒミツの恋を君と。

ミルクティも買ったし、明日の朝ごはんにするパンも買った。


混ぜるだけのパスタソースも買ったし、レトルトカレーも買ったからとりあえず明日は食べるものに困らないな…って、あたしってば、全然料理に挑戦する気ないなぁ。




女子失格……?




そんな風に自分に突っ込みながら、スーパーの袋を持って隣の本屋に向かう。


ガラス張りの本屋は中が丸見えで、晴の姿をすぐに見つけることが出来た。



あ、参考書?



晴って、バイトなんかしてるし、切羽詰ってる様子ないから、忘れてしまうけど、実は受験生なんだよね。




そういえば、バイトしてる理由って大学資金だった。

しかもここからは遠い大学目指してるって言ってたな……。



ぼんやりそんなことを考えながら、ガラス越しに晴を見つめてると、晴があたしに気が付いた。


そして、窓に張り付いてるあたしを、呆れたような目で見つめてる。





“ちょっと待ってて!今そっちに行くから!”





もちろん声に出しても聞こえないから、窓越しに身振り手振りでそんなゼスチャーをするあたしに、晴はいっそう残念な子を見つめる目線を黒縁眼鏡越しにくれる。


なんだか晴の所に早く行きたくなって、前も見ずに歩を進め、勢いよく一歩踏み出したその時、





「わっ!?」





本屋さんから出てきた人に思いっきりぶつかってしまった。