【完】ヒミツの恋を君と。

出会ってからずっと、態度は横柄な晴だけど、その心は優しい。





「…俺も、隣の本屋に用事あるから」


「待っててくれるってこと?いいの?」


「あぁ」


「ありがとう晴」





前を向いたまま頷く晴に、申し訳ないと思いながらも、嬉しい気持ちでいっぱいになる。

ニヤニヤしてしまいそうになるのを必死で堪えた。





「本屋でなに買うの?…って、あ!そういえば、今日あたしの欲しい本も発売日だった!」


「どうせ、また漫画だろ?バイト代はともかく、仕送り使い込むなよ?」


「そこまで買ってないよ!…でもさ、晴って、オタクに偏見ないよね?」


「無趣味なヤツよりよっぽど人生楽しいからいいんじゃねぇの?」





そんな風に言われたの初めてで驚いた。



あたしが超二次元オタクなのは、晴のBL疑惑尾行事件の日に全部ばれた。



絶対オタクに違いないと思っていた当の晴は、学校でのその風貌を完全に裏切り、まさかのノーマル。



でも、晴は最初からオタクなあたしを否定する様子は微塵もなかった。


そういう晴だから、一緒にいたいと思うんだろうな。


晴がそんな風に思ってくれてるのかと思うと嬉しくなる。





「じゃぁ、晴、あたしスーパー行って来るから」





本屋の前に着いたあたし達。

あたしは顔がニヤけるのを必死にごまかしながら、隣のスーパーへ駆け込んだ。