【完】ヒミツの恋を君と。

* * *





「ハル、モカ!ごくろーさん!気をつけて帰れよー」


「お疲れ様でした」





店長のまかないを食べて、晴はオタク系男子に、あたしは女子に、お互い制服に着替え終わるのは9時後半。




そして晴と並んでこの店を出るのも、バイト後のお決まりのコースになっている。





衣替えの終わった半袖の制服には、この時間の外の空気は少し冷える。


隣をを見上げると、制服に身を包んだ完璧にオタクバージョンな晴。





「今日のまかないのグラタンすっごいおいしかったね」


「俺はあれが一番好き」


「へぇ、そうなんだ?そういえば晴のグラタンだけ、すっごい大盛りだったよね?あっという間にたいらげてたけど…」





帰り道はたわいもない話をして歩く。




晴はあんまり自分から話をする方じゃないし、あたしも話すのが上手い方じゃない。

だから、ただ黙って歩くだけの時間も結構多かったりする。