【完】ヒミツの恋を君と。

ほ、星が飛ぶ……。

それはまるで古典的な漫画か!というような状態。


痛い!と叫びたくても口を塞がれたままだから声も出せない。





「お騒がせ致しました。あんまりうるさいもので、蜂が進入したのかと思い…失礼致しました」





真後ろから聞こえてきたそんな声は、もちろん晴で、

いや、晴様で……。





「ん゛──っ、ん゛──っ!?」





誰が蜂なのよ!

その訳の分からない、テキトーな理由はなに?


っていうか、あたしは何故、口を思いっきり塞がれてるのでしょうか!?


あたし一応女の子なんだから(今は男の子設定だけど…)もっと優しくして下さい──!

そんな風に叫んでみたけど、晴の手にかき消され、あたしの叫びはただの変な音になる。




その変な音をあたしが出さなくなったのを確認してからやっと晴が手を離してくれた。