【完】ヒミツの恋を君と。

首を傾げるあたしに晴が続ける。





「禁止だってこと伝えたら、“メルマガ”配信希望だから、このアドレスをそっちに回してくれって言われたから受け取ったんだよ」


「メルマガ?」


「店長がやってんだけど、ここの新メニューとか、イベントとか、店であったことなんかをブログ風にしたりして配信してる。後、面白がって、店員へのQ&Aとかも載せてるらしい」


「店員のQ&Aって晴のも出たりするの?」





なら、見てみたいんだけど。

あたしの知らない晴のこともいっぱいありそう。

身を乗り出したあたしを見て、呆れた様に溜息を吐く晴。





「…俺のは質問が来ても適当に答えておいてって店長に言ってある」


「なぁーんだ…がっかりだよ…」


「はぁ?なんでがっかりなんだよ」


「別に…」





口を尖らせてるあたしを見て晴は「訳わかんねぇな」とか言ってる。



まぁ、本当に分かってないのは晴だよねー。

きっと晴にメルアドを渡したお姉さんが言った『メルマガ希望』なんて嘘だよ。

とにかく晴にメルアドを渡しておけば、後から連絡くるかもしれないとか、希望を抱いて渡したんだと思うな。





「この、お姉様キラーが!」


「はぁ?今度はなんなんだよ?」


「別に…」






なんかつまんない。

きっとあのお姉さん、また晴に会いにやってくる。

そしていつかその内に、晴もその気になってメルアド教えちゃうかも知れない……。



晴ってやっぱりイケメンの時ってモテるんだ?

もしかして学校でも意外とモテてたりするのかな?