【完】ヒミツの恋を君と。

えぇっ!?




動揺に動揺を重ねるあたしをジッと見ていたリツキさんまでもがトウヤさんと同じ様に、反対側から腕を回したもんだから、2人に抱き締められるみたいな感じになる。





助けて──っ!

H・E・L・P ME!!





あたしはもうピクリとも出来ないくらいカッチカチになってしまってるのに。


そんな2人の行動に、目の前のお姉様方は「キャー」なんて言って興奮気味。





どうやらトウヤさんにリツキさんはどうすれば女性が喜ぶかを全部知ってるみたいだね。




外国のお母さん、元気ですか?

あなたの娘は今日、本物のスケコマシに出会いました。



今晩早速メールしよう。……って!

あ──ん!やっぱりイケメン怖いよぉ!




たっ、助けてぇ────っ!晴!あたしこのまま固まって石になってしまうよー!!




パニック。



軽く意識を失いそうになる寸前、やっとの思いで、ロボットの様に首だけ動かせば、


ん?


晴が5番テーブルのお客さんに手招きされてるのが見えた。


そのお客様というのは、仕事帰り風、巻き髪で笑顔の綺麗なお姉様。

仕事は受付嬢でもしてそうな雰囲気。

1人で来てるのか、そのテーブルには他には誰も座っていない。





「あ…」





思わず漏れる声。

その声は小さすぎて、3番テーブルのお客さんと話してるトウヤさんとリツキさんには聞こえていない。


お姉様がその綺麗な指を伸ばして晴の手を自分の方に引き寄せる。


晴の顔を見上げて何か言ってから、晴の手に小さな紙を乗せた。