私はいつものように席に座り、鞄を膝の上に抱えて目的地の駅に着くまでぼーっとしていた。 本を読んだり、携帯をしたり、音楽を聞いたり、人によってすることは様々。 ただ私は、何もせず電車に揺られながら、外の景色を見ているのがすきだった。 『次は~』 車掌さんの声が耳を通り抜ける。 初めは真似をしてみたくなるこの声も、いつも聞いていると、気づけば普通にサラッと聞き流している。