『……。』
愛優の言葉を遮り風呂場に来た結城は
乱雑に服を脱ぎ捨てて
シャワーを全開にする
『つ、冷てっ』
手元を見る事なく
蛇口を開けた物だから
出て来たのは冷水で
慌てて蛇口を閉める
『何やってんだよ俺…』
やっぱり
事実を知りたい半面
事実を知るのが怖い
それでも
事実を前にしなきゃ
前には進めないって
解ってる
解ってるけど
もう一度
今度は
お湯を出そうと蛇口を
開けようとしたその時
『…えっ』
ボトッ
ボトッボトッ…
蛇口を開けようとした結城の手の上に
長い真っ黒な髪が落ちて来た
その瞬間
『は!?』
突然何かが覆い被さる
『…っく、あ…』
結城が見たのは知ってる女の子で
首に走るキリキリとした痛み
突然呼吸が出来ない息苦しさ
首を締められていると気付き
結城は必死で抵抗する


