電気の消えた室内は
月の光だけで薄暗く



チカ



チカチカチカチカ…
ついたり消えたり点滅する電気



『し、俊!?』



俊に何が?



よく見えない



結城は
慌てて薄暗い中俊の姿を探す



「結城サン…」



『俊大丈…「う、後ろ!!」



異常なほど怯える俊
そんな相手の姿を見て振り返ろうとした



その瞬間



「結城サン!!」



そこには



病院のトイレに居た女の子



天井に張り付き


変な方向に向いた首が
俺の目の前にあった。



" ウチの邪魔は許サなイ "



え?
明日香チャン?



一瞬



女の子の背後に
ニヤリと笑った明日香が見えて



結城は俊の前に立ちゆっくり後ずさる



ギギギギ



『……っ』



目の前で少しずつ開く大きな口



ギギギギギリギ…



『俊、塩ある?』



「し、塩ですか?」



ヤバイ
このままだと2人共やられる…



『先逃げて!』



「で、でも…『良いから!』



結城は先に俊を逃がす