「では、後ろから着いて行きますので」
結城と陸は
まさる一家の車の後を
追いかけることになり
今度は俺が運転し陸が助手席に乗る
" 遊園地から30分位ですので "
その言葉を信じ
まさるクンの家族が乗る
車の後ろを着いて行く…
「まだ着かないのー?」
平地から
どんどん
どんどん
山路に進む車
『……。』
このまま走っても家なんてないだろ
そう感じる位急になって行く山路。
車に乗り出発してからもうすぐ1時間…
どう考えてもおかしい
『陸サンあの家族に電話してみて』
「……。」
『陸サン!?』
「よ、酔った…」
陸はそう言いながら窓を開け顔を出す。
使えない上司
ため息を吐いた結城は
本来違法の片手運転で
母親の携帯に急遽電話をかけた
プルルルル… プルルルル…
前の車に乗る母親は
電話に出る気配なく
変わらぬスピードでどんどん進んで行く
「どう?」
『…出ない』
「マジ!?」
『こうなったらとにかく着いて行くしかな…』
俺は後ろの確認の為
バックミラーを見る
その瞬間
ケケケッ
ケケケケケケッ
後部座席にピエロが座っていて
「結城おい、前…前!」
『あっ…』
前は崖カーブ行き止まり
俺は慌てて急ブレーキをかけた


