その日の夕方…
『ただいま』
ぐちゃぐちゃになった部屋の掃除をした後
適当に今日の夕飯の材料を買って帰宅。
「結城おじチャンおかえり」
仕事帰りの俺を必ず出迎えてくれる愛優
「結城おじチャンさっきは取り乱してごめんね…で、パソコンで色々調べたの。頭の病気は記憶障害になる可能性があるって…」
靴を脱いだ結城は
力なく微笑む愛優の
頭をポンっと撫でる
『大丈夫。愛優は病気じゃない』
「わ、解ってる…産まれつきの痣だって解ってるけど… その… えっと… 」
『ん?』
「と、とにかく!毎日忘れないように日記を書く事にした!」
『日記?』
「忘れても思い出せる様に!」
『愛優…』
痣があるって事隠しとけば良かったかな
愛優の過剰に怯える反応を見て少し後悔
そんな事を
考えながら
そのままキッチンへ
『直ぐご飯にするから』
手を洗い
袋から今日買って来た
物を取り出そうとした
その瞬間
キャー!!!
下の階?
女の人の悲鳴が聞こえて
「結城おじチャ…『愛優は部屋に居て』
「う、うん…」
俺は慌てて非常階段で下の階に降りた


