ブログ女 ーAyu Official Blogー 3



「結城サン」



え?



「愛優チャンがCT室から出て来る前に少し診察室へお願い出来ますか?」



愛優がCT室に入った瞬間



『は、はい…』



看護士に呼ばれ結城は再び診察室へ



『あの…「さっきも話した通り娘サンの頭には何か影の様な物があるんだけどこれは恐らく痣…」



『痣?』



医者は影の部分を拡大する



『なっ…』



その痣は手形の様で



「形等はCTでもっと詳しくわかると思いますが…」



どうしてこんな場所に痣が?



「娘サンの記憶状態等はどうですか?日常生活などで変わりはありませんか?」



『いえ、特に思い当たる事は…』



結城と医師の間に流れる重い沈黙



そんな中



CTを撮り終えた愛優は診察室へ戻って来た



ヤバっ…


依魅は拡大された
レントゲン写真に



視線を向け固まる



「何これ…」



『……。』



「何!?なんで!? さっきだって突然意識無くなって… 怖いよ。あたしの記憶無くなりそうで…」



CTの結果踏まえて医師が説明をしても



震える愛優は
聞く耳持たず



「この痣は産まれつ…「怖いよ、怖いよ…忘れちゃうかもしれない何もかも…こんな所に…やだよ…」



トラウマの強い
結城はそんな愛優に何も言えなかった










『ありがとうございました』



診察室を出た俺と愛優は
会計を済まして車に乗る



その間、愛優は下を向いたまま



何も話さない



『愛優』



「……。」



『愛優はどこも悪くない』



「結城おじチャン…」



『それに、いつも言ってるだろ? 何があっても俺は愛優の味方』



「……。」



静かに頷く相手を見た結城は



家に向けそのまま
車を発進させようとハンドルを握った



その瞬間



ブーブーブー♪



携帯が鳴り慌てて出る



『もしもし?』



" 結城やられた!"



『え、陸サン?』



" とにかく署に戻って来い!"



『わ、解った…』



電話を切った俺は



何か言いたげな愛優を送り
とりあえず家の前で降ろし



その足で慌てて署に戻った