『ま、待って下さいよ』
無断で入るのは良くない
そう思いながらも
陸サンの後を追う
「どうなってんだ?」
『…誰も居ない』
順番に部屋を見て行くが
子供の姿はもちろん
大人の姿すらなくて
埃は溜まり蜘蛛の巣が張り
完全に廃墟、そんな雰囲気
『守クンが入る施設って本当にここなんですよね?』
「確かにここ。俺の机に住所のメモが…」
『メモ?』
メモなんてあったっけ?
ニャー
ニャー
猫の鳴き声が聞こえて
「あっちの部屋から聞こえる」
『あ、陸サン!!』
猫の声がした方に歩く
陸サンの後を追いかけた
『あ…』
そして
俺と陸サンは何もない部屋で
猫を抱っこしてる
男の子を見つけた
その男の子は俺達の知ってる男の子
「守クン…」
守クンはにっこり笑うと歌を歌い出した


