" 目的地に到着しました "



そこは町外れ
ナビが道案内を終了し車から降りる



「ここが施設か…」



広い庭に
古い建物



小さい子供が多い
施設と聞いたのに



子供の声は1つも聞こえなくて



不気味な気配に
俺と陸サンは顔を見合わせる



本来子供の施設って
賑やかな声が聞こえてもおかしくない



ふと1匹の黒猫が


俺達の前を横切り
施設に入って行く



「俺達も入るか」



陸サンの一言に生唾を飲み込み
結城は静かに頷いた。








キィーーーーー







ゆっくり開く施設のドア



『すみませーん』



恐る恐る問いかけてみる



が、反応無し



「誰も居ないってのはおかしいな」



『あ、陸サン!』



結城を押しのけた陸サンは
返事も聞かず靴のまま室内に入って行った