数時間後



「…河村誠が?」



現場には陸サンを始め
捜査関係者が集まっていた



守クンはずっと泣いたまま



結城は守クンの背中を優しく撫で
陸サンの言葉に頷く



「結城、確認だけど黒い物が河村誠の中から出たんだよな?」



『はい。出たらこの人、人が変わったみたいに怯え出して…』



「……。」



黙り込む陸サン



「赤い目に黒い影…」



何やらブツブツ言い
考え込む相手の顔を



じっと見つめる



「まさか…いや、それはあり得ないし。でも現に結城の妹は…『陸サンって!!』



「…な、何でもない何でもない。とにかくお前は署に戻れ!」



『あ、はい…』



守クンは捜査に来た女警察官に任せ
結城は一旦陸サンに連れられ署に戻る事に



「結城」



『は、はい』



「俺が今から質問する事、さっきの事全部正直に吐けよ?」



『え、はい…』



署に戻る途中
陸サンは俺に対し車内で質問攻め



「塩は効いた?」



運転する俺は


赤信号で車を停車し
助手席の相手に頷く



『はい、塩をぶち撒けようとしたら逃げたんで… 前回と同様悪霊の仕業かもしれないです』



「悪霊ね…それならまだいいけど…『何か言いました?』



信号は青色に車を発進させた結城は
陸サンの話を聞き取れず思わず聞き返す



「…いや、別に」



そんなこんなで



数日後…



両親を無くした守クンは
親戚が居ない事が判明し



施設に預けられる事になった