「この穴の中に沢山の子達が眠っている。優樹菜!早…」
今度こそ負けない
ゆっくり立ち上がった結城は
千紘の体を羽交い締めにし拘束する
「結城、離…『愛優、早く逃げろ!』
「う、うん!」
結城の言葉を聞き慌てて千紘から離れる愛優
「離せって!」
ドスッ
千紘に今度は地面へ叩きつけられる。
「邪魔せず見てろ!!」
『ぐっ…』
キレた千紘は結城の右手をねじ踏む
「愛優を守ろうとしてんのがわか…うわあぁあ!!」
何度も何度も
踏まれた右手
激痛に耐えながら結城は
左ポケットから
千紘に気付かれないように
持って来ていた聖水を出し
口で蓋を開け千紘の足にかけてやった
「せ、聖水!?」
結城の持つ聖水を見て
思わず後ずさる優樹菜
そんな中
千紘は焼け爛れ足を抑え転げ回る
「てめ…結城…」
千紘が負傷する中
結城は千紘が出現させた黒い穴に
悪魔達を近付けさせないように…
塩
そして
聖水を巻き境界線を作った


