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" なぁ優樹菜… 子供が出来たら引っ越さないか? "
"え、引っ越すって…"
"…実はさ、優樹菜や生まれて来る子供の為に従兄弟へ頼んで家族みんなで住む家を建てて貰ってたんだ"
"え、健司冗談でしょ…"
「赤チャンが出来て健司サンはあたしの為に広い家を用意してくれた。亜由美の為なんて知らずにね」
" 夢みたい… こんな大きくて綺麗なお屋敷に住めるなんて…ね、亜優奈 "
「幸せになれた、そう思った。あたしの娘を…亜優菜を…」
" あは、あはは…やっと、やっとだ。この日をずっと待ち望んでいた!!"
「健司サンはクローゼットからあたしが使用した大きな鎌を取り出した。そこで思ったわ。健司サンの頭はおかしくなってしまったって」
" け、健司どうしたの…ねぇ、け… "
「改めて実感させられたわ。この世からいなくなっても1番はあの家族… 特に亜由美、あの子だったんだって」
『……。』
悪魔が憑依した時
その人間の意識は途絶えず
簡単に言えば
自分の体が思い通りに動かず
自分と反する動きをするとか
そんな感覚に陥るんだと
前に玲奈が話していた。
愛する妻を自分の手で殺し
愛する娘のことも犯して殺した。
そりゃあ頭おかしくなるよな…
「あははっ。健司サンってば、あたしにそんな事したから… 亜由美に殺されていい気味よ」


