守クンに手招きするピエロ
「違う…お父サンじゃない、お父サンじゃない…お母サン、お母サン…」
守クンは
首を何度も横に振り結城の後ろに隠れる。
『河村サンどうしてこんな「お兄チャンあの人お父サンじゃない…」
『守クン?』
「違う、お父サンは優しい人、違う、違う…」
1歩また1歩と
ナイフ片手に近付いて来るピエロ
『…守クン下がって』
結城はとっさに
ポケットから塩の袋を出す
ジャマヲスルナ
俺の頭の中で声が響く
コロス
コドモハ
ミンナ
『……。』
緊張感から汗ばむ右手で塩を握る
『く、来るな…』
どんどん近付いて来る
塩を相手にブチまけようとした
その瞬間河村誠の体から
黒い影の様な物が飛び出し
「お父サ…「く、来るな…」
どういう事だ?
河村誠の
赤い目は黒に変わり
ただただ怯えている
『河村サン…』
「わ、私が妻や色んな子供を…」
怯え続ける河村誠は
右手に握っていたナイフで自分の胸を刺す
「お父サン!!!」
血を流し刺し倒れた河村誠は…
そのまま目を閉じ動かなかった
「お父サン!!」
倒れた相手に駆け寄る守クン
『……。』
「ねえお父サン!お母サン!!」
『守ク…』
ブーブーブー♪
言葉を遮る様に鳴る携帯
『…もしもし』
電話の相手は陸サンで
今起こった出来事を簡潔に伝えた


