「そう、あれは20年以上前の事… あたしは1人の男に出会ったの。健司サン…あたし達は愛し合っていた。あたしは人間に恋してたのよ」
『……。』
「でもね、幸せな毎日だけど1つだけ汚点があった。それは健司サンが即婚者だったと言う事」
「世間から見るとあたし達の関係は不倫。あたしは2番手だった」
『優樹菜サン…』
「1番になりたかった。そこであたしに転機がやって来たの」
『転機?』
「健司サンの奥さんの病気が悪化したと聞いて直ぐに亜由美に近付いたわ。…もー笑えた笑えた。母親を元気にする為にならって直ぐ契約してくれるんだもの」
黙り込む俺とは逆に
クスクス笑う優樹菜
「憎かった… 特に亜由美は。健司サンの娘だなんて…そこであたしは最高のプランを思いついたの♪」
『最高のプラン…』
「それは貴方も知ってると思うけど」
『お前が健司に乗り移り奥さんを、娘の方は契約期間まで待てなくて化け物に…』
結城は優樹菜の話に顔をしかめる。
「ピンポーン♪亜由美も、元気になった母親も消してやった」
『なっ…』
サラッと言う優樹菜に苛立ちを覚える
「これで健司サンの1番になれた。なれたハズだったのに…健司サンってばあたし達の子供を、亜由美にしようとした」


