「帰って下さい」



『え、ちょっと待っ…』



結城は慌てて扉を閉めようとする
奥サンを説得しようと試みるが…



『少しでも良いので話しを…「主人は居ません」



『河村サン?』



「…入ってください」



河村誠の奥サンは無言で扉を開け
結城を部屋のリビングに案内する



『…お邪魔します』



案内されるがままリビングに通され
ソファーに腰掛け部屋の中を見回す



「…何のお話しですか?」



河村誠の奥サンは



話しながら
コーヒーカップを食器棚から出し



コーヒーを入れながら
俺に恐る恐る質問する



『ご主人が遊園地で働いている事はご存知…「いいえ。主人とは離婚しましたので」



離婚?



俺は河村の奥サンの
話しに耳を傾ける。



「離婚しましたので主人の動きは把握してません」



『そうですか…』



少しだけど


真相に近付けた
そう思ったのに



またふりだしか。



『はぁ…』



力及ばずため息を吐こうとしたその瞬間





ガタッ



ガタガタガタッ



ガタガタッ



上から何かが暴れる
そんな音が聞こえて



俺は天井を見る



「…あ、うちの息子です」



『息子サン?』



ガタッ



ガタガタガタッ



河村の奥サンに聞き
2階が子供部屋と言う事は解った。



大きな音を立てて
一体何をしているのだろう?



気になった俺は



奥サンに頼んで
子供部屋を見せて貰う事にした