誰もいない廊下。 2人の足音だけが聞こえる。 窓の外に目を向けると、雲が一つもない青空。 『早見翼、至急生徒会室に来なさい』 遠くから、少し鋭い先生の声が放送で聞こえる。 世界から2人、切り離されたみたい。 「あの」 少し喋ってみたくて、話しかけると振り返った彼。 だけど何を言えばいいかわからず、苦笑いしながら、 「…い、いい天気ですね」 なんて言ってしまった。 あぁ、絶対変な人だと思われた。