「先生いないから呼んでくる。
ちょっと寝てて」



そう言ってドアの方に行こうとした翼先輩の袖を掴む。



行ってほしくないよ…。
困った顔の翼先輩。




お願い、あたしのものにならないのはわかってるから。


少しだけ、我が儘言ってみたかった。






「つばさ…先輩…」




「うん」



「ここにいる?」



「うん。いるから」



「……すき…」



「わかったから、寝て」






安心して、眠くなった。


ふわふわ、ふわふわ。




幸せな夢を、見た気がする。