「茉桜はココアってかんじだよね」



そう言った美紅に、ココアを見る。





「あぁ、甘ったるくて?」



納得した翼先輩は、なんとなくだけど、ココアは苦手そう。


あたしみたいって言われた分、なんかヘコむ。




「翼先輩、ココア飲めますか?」



あんな甘いの、何がいいの?


そんな答えを予想していた。



だけど翼先輩は、



「普通に飲めるけど?
…甘いの飲みたいときだってあるし」




って言った。



「そっ、か……」




ココアが飲める。

甘いの飲みたいときだってある。



それはココアの話であって、あたしの話ではない。



みんながあたしをココアみたいって言ったって、この言葉とは関係ない。



わかってる。
わかってるんだけどね?



…嬉しいよ、翼先輩。