そして最後に来たのは、ある廊下。 あたしと翼先輩が、初めて出会った場所。 あたしが落としたプリントを拾って、一緒に運んでくれた。 「初めて会った場所だな」 「覚えててくれたんですか…!?」 「当たり前じゃん」 誰もいない、長い廊下には春の光が差していて。 あの日と重なった。 白い廊下を、太陽の光が照らして2人の影をつくる。 「茉桜」 「はい」 「茉桜に会えて、良かった」 せっかく泣きやんだのに。 また泣かないように、堪えてたのに。 こんなの、泣いちゃうに決まってるじゃん……。