「お……お待たせしましたっ!」 「そこまで急がなくていいけど」 「翼先輩を待たせるわけにはいかないです」 「そう?」 そんな話をしながら、いつもの帰り道を歩く。 「…あ、バイバイ!西原!」 帰り道に西原の姿を見つけて、手を振った。 「あ…、じゃあな」 西原に背を向け翼先輩と並んで、駅に向かおうとすると。 グイッと捕まれた右腕に、必然的に振り向く。 「西原……?」