おかげで数学の先生に怒られることもなく、ルンルンと自販機にジュースを買いに来た昼休み。
「ねえ、あたしやっぱり早見くんのこと好きなんだ…」
中庭から聞こえた声に、思わず身を隠した。
悪いとは思いながらもチラッと覗くと、美人な先輩2人が喋っていた。
「彼女いるのはわかってるけどさ、諦めるなんて無理だよ……」
そう言う先輩の声は綺麗で、切なげで。
「えー、ミカなら簡単に奪えるんじゃない?
彼女って2年生だっけ?」
「うーん…」
「だって早見くんの彼女、別に普通じゃない?
美人ってわけでもないし」
グサッとハートに突き刺さった。
美人じゃなくてすみません。