「あんな男のどこがいいの?」 「だってカッコいいじゃないですか! 翼先輩、記念日にサプライズとかできます!?」 感動した映画をけなされてムッとしたあたしは、つい言い返す。 「茉桜の方が記念日は覚えてそうだよね」 う、確かに。 そして絶対、デートしようって自分から言っちゃうタイプだ。 「でも」 図星をさされて下を向くあたしに、翼先輩は続けた。