「……何、学ランの王子って。
王子が学ラン着てんの?」



「王子様みたいにカッコいいってことですよ」





すると、さらに眉間のしわを深くした翼先輩。





「王子ってなんだか知ってる?

王様の子供だよ?

必ずしもカッコいい必要はないんだよ?」






「……」






確かにそうかもしれないけど。


一般的に王子様みたいな男の子っていうのは、カッコ良くて優しくて完璧な人を言うんだよ。




って、あたしが勝手に思ってるだけかもしれないけどさ。





「…だめですか?」




翼先輩はラブストーリーとか嫌いそうだし、仕方ないかな、と思ったのに。





「…別にいいよ、何でも」




なんて優しいこと言ってくれちゃうから、お言葉に甘えることにした。