「くくっ……」 聞こえた笑い声に、顔を上げる。 「はい」 傘を右手に持ち替え、左手を差し出す翼先輩。 「へ……」 「手、繋ぎたかったんでしょ」 かあぁっと顔が赤くなる。 「気付いてたんですか!?」 「うん」 「もう……」 頬を膨らませて、手を繋いだ。 「意地悪です」 「面白かったから」 「……でも好きです」