「……どこかで何かが、すれ違っちゃったんだろうな」 懐かしそうな顔でジュースを飲む櫻庭さんは、 「翼のこと、どれくらい好き?」 って言った。 「言葉にできないくらい好きです」 そう答えたら、櫻庭さんは優しく笑った。 「かなわないな…。 幸せに、なってよね」 「はい!」 その優しく微笑む顔が翼先輩とよく似ていた。 それが、あたしの頬も緩ませた。