「翼先輩、翼先輩、翼先輩!」




追試が終わった次の日、いつもより早く学校に来て校門で翼先輩を待っていたあたし。



だって、どうしても早く伝えたくて。




「追試、クリアしました!」


「おぉ、やったじゃん。
頑張ったな」



ふ、と笑った翼先輩に、胸がふわふわする。




「翼先輩に一番に伝えたかったんです♪」


「へぇ?」



少し話していれば、すぐに着いてしまう昇降口。

もうちょっと喋っていたかった。




「翼先輩、本当にありがとうございます!」


「ん」




そして今度はポニーテール(もちろん小花柄のシュシュ付き)を揺らしながら教室へダッシュ!