32回、好きって言うよ。




あたしのために頑張ってくれたんだって。

何もなかったみたいに振る舞ってて目、ホントはすごく優しいんだって。






「……好き」




本当に、好き。


ていうか、“好き”以外に何て言っていいかわからない。





「頑張らなきゃ」




翼先輩がくれた参考書をめくり、問題を解いた。


翼先輩がこんなにしてくれたんだ。


だから、あたしが頑張らなきゃ。





「っあ、悪い。寝てた…」




慌てて起き上がった翼先輩。




「翼先輩、参考書ありがとうございます!」


「あぁ。なんか説明する?」



「…あ、じゃあこれ…お願いします!」


「了解」