「……充」 「ん?なにー?」 「俺は気づいた」 緊張を紛らわすために無意味に教科書を整えながら、口を開く 「なに、椎香ちゃんが好きだってことにか?」 「……う゛っ」 「やっと気づいたか、馬鹿男」 「馬鹿!?馬鹿はねぇだろ、馬鹿はあいつだ」 「は?椎香ちゃん?」 「俺を惑わすあいつが悪い」 そうだ、あんなに俺の心を揺さぶるなんて犯罪だ 俺は名家佐久間家のお坊ちゃんなんだぞ!