とはいえ、このまま放ってはおけない。


本当はものすごくイヤだったけど、聖良は様子を見に行くことにした。


「一緒に行こうよ」


かすみを誘って、聖良は雨の中、来た道を引き返す。


ところが実は二人とも地元の人間ではないから、途中で道が分からなくなってしまった。


そのため、救急車が到着して、人だかりが出来ている場所を通らないまま、

途中で携帯電話のGPSを使って、一旦学校まで戻ったのである。


「最初はこの道をまっすぐ行ったんだよね?」


「うん」


二人はもう一度思い出しながら、今度は梓の家に向かって歩き出した。