ドアがノックされて、妹の桜が顔を覗かせた。



「ねぇお姉ちゃん。ショコラの散歩に行こうよ」


ずっと部屋でふさぎ込んでいるから、どうやら気にかけてくれたらしい。


確かに、気分転換に愛犬の散歩は良いかもしれないけど、本音を言えば、必要以上に外に出たくないのだ。


でも、おそらく妹なりの精一杯の気遣いなのだろうから、むげには断わりづらい。


茜は本当は出かけたくないけど、しぶしぶ出かける事にした。