「ま、とにかく傷を治せ」 そう言った勝っちゃんと呼ばれた男は、そっと私に近付く。 その行動に、一瞬ばかりあの光景が蘇った。 けれど、トンッと肩を押されもう一度布団に横にされる。 「もし、何かあったら遠慮無く言うといい。 出来るだけ、力になろう」 力強く言うその言葉一つ一つが、ほわりと心に染み込むと同時に、あの忘れた表情が、スッと頭を流れた。 一度、ボスッとそれを忘れようと布団を被った。 「・・・・・もういいか、疲れた」