恨めしげにそれを見て、拾おうと身を屈める。 「・・・・・はっ、こんなのまだあったんだ」 捨てて来たと思ったのに・・・・・ 床に叩き付けたい位の衝動に駆られる。 ふわりと微笑んでいるような顔。 ずっと昔・・・・・私が小さい頃母がくれた物。 ――――どうして、こけしがここにあるの? それを、部屋の隅に放り、私は風呂敷包みに物を詰めていく。