それでも、恐怖は消えない。 あの・・・・・母さんに殺されそうになった光景が、瞼の裏で蘇った。 あの恐怖と、悲しさが身体を襲う。 「――――っ!!」 グッと身体を捩ると、塞がり始めていたはずの傷が新たに開いた。 「あっ、おい!!ジッとしとけ!!」 そう止める声なんて、耳に入らない。 怖くて、痛くて。 逃げ出したいのに、身体は動かなくて。 「や、だ・・・・・殺さ・・・・・ない、で ――――かあ、さん・・・・・」 無意識に、呟いていた。