「本当、すまなかった」 誰が話しているのか、分からない。 でも・・・・・きっと、この声の持ち主はあの美丈夫だ。 一瞬、体が強張ったのが自分でも分かる。 怖かった。 ただ――――隠れて、消えてしまいたかった。 死ねるものなら、今ここで果ててしまいたいと思った。 「何も話を聞かないで、傷付けてしまったこと・・・・・ 許して欲しいなんて思っちゃいない。 本当、すまなかった」 そう、掠れた声で話すのを、私は黙って聞いていた。 形だけの謝罪じゃなく・・・・・心の底から、悔いているようだった。